”薬膳”とは?

 

体質や体調、季節や地域に合わせたオーダーメイドの食事

“薬膳”というと、なんとなく難しそうなイメージがありますよね~。
でも、実は私たちが普段食べている身近な食材を使ってできる『健康法』であり『食療法』のことなんです。

その人の体質や症状、体調や季節などに合わせ、身近な食べ物や生薬を使い、健康管理や病気を治す効果があり、そのベースは中医学(中国の伝統医学)になります。

薬膳で使われる材料

「生薬」は、薬として用いるため、天然の植物や鉱物、動物などをそのまま、もしくは乾燥させたり煎じたりして手を加えたもの。

たとえば、みかんの皮を干して乾燥させたものは生薬名を「陳皮(ちんんぴ)」といって、気の巡りをよくし、消化・吸収を促進する働きがあります。

ちなみに、「漢方」は東洋の伝統医学を総称した日本独自の呼び方で、中国では日本の伝統医学のことを漢方と呼んでいます。

「薬膳」という言葉そのものは、1980年頃に北京のレストランで初めて使われたとされていますが、起源は紀元前10世紀以降。

当時は「食医」と呼ばれていましたが、食医(医師)は食べ物で皇帝の病気を治したり健康管理をしたりしていたことから始まっていて、後にこうした考え方や方法が「中医学(中国医学)」として確立されたわけです。

中医学では、食べ物には漢方のように病気を未然に防いだり健康を促進したりする働きがあると同時に、薬と同じように病気を治す働きがあると考えられています。

・「食養」は健康管理が目的の薬膳
・「食療」は疾病治療が目的の薬膳

 

七草粥は日本の薬膳

日本でいえば、1月7日の朝に食べる「七草粥」に入れる七草。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、仏ノ座、スズナ、スズシロ

日本の薬膳 春の七草

「邪気を払う」「健康や無事に過ごせるようにと願いを込めて」といった意味合いもありますが、七草には野菜が少ない冬に不足しがちな栄養素を補うという意味があります。

焼き魚に大根おろし、お刺身に大根のつまが添えられているのも、大根に消化促進作用や毒消し効果があるから。こうした食にまつわり先人たちの知恵も、立派な日本の薬膳といえます。

 

私が感じている薬膳の魅力は、やはり『オーダーメイド』だということ。
そして、身近な食材を使ってできるということ。

その人の体質や症状、体調や季節などに合わせ、身近な食材を組み合わせて健康促進や病気の改善へと導く、とってもナチュラルな食事療法。なので、同じ人であってもその時々、その症状に応じて薬膳の内容も変わってくるわけです。

by.はた坊@川端真弓